導入事例:聖隷沼津病院様


聖隷沼津病院は、2016年の電子カルテ導入に合わせ、放射線部門システム「ACTRIS」を導入、以前より導入している統合型PACSソリューション「XTREK」シリーズとも連携。急性期医療から保健、在宅看護・介護にいたるトータルな医療を提供し、地域住民への貢献に取り組んでいる。

一般財団法人 芙蓉協会 聖隷沼津病院について

聖隷沼津病院
聖隷沼津病院

一般財団法人 芙蓉協会は1949年(昭和24年)に設立登記、翌1950年(昭和25年)に芙蓉病院として許可病床25床で開設された。「芙蓉」の名は病院設立基金を寄付されたアメリカのW.H.ダンフォース氏の思いが込められている。1957年には日本基督教診療所の支援を受け、緑町病院と名称を変更、その後1981年(昭和56年)に聖隷福祉事業団への法人参画に移行、聖隷沼津病院となり、聖隷グループの一員として、キリスト教精神に基づく「隣人愛」を理念として掲げ、急性期医療から保健、在宅サービスを通して地域社会に貢献することを使命として取り組んでいる。

地域の中で生きて行く病院であり、地域のことを最優先で考えて取り組んでいきたい

伊藤 孝 院長
伊藤 孝 院長NICU
NICU

聖隷沼津病院 院長 伊藤 孝氏に聞く

貴院の概要についてお聞かせください。

聖隷沼津病院の歴史はとても古く、1950年にW.H.ダンフォース氏の寄付により25床の芙蓉病院として開設された時までさかのぼります。1981年には聖隷福祉事業団の支援を受け聖隷沼津病院となり、現在に至っています。病床数は246床(うちNICU:11床)、地域包括ケア病棟は44床で運営しています。聖隷福祉事業団と同じ「隣人愛」を芙蓉協会の基本理念として掲げ、さらに当院として「私たちは、利用される方々にチームワークより生み出される価値ある医療サービスの提供を目指します。」という病院理念を掲げています。
一般財団法人 芙蓉協会についてですが、当院の他に聖隷沼津健康診断センターと聖隷訪問看護ステーション千本があります。訪問看護ステーションは、沼津市で唯一の小規模多機能施設を持っており、ショートステイの入所もできますし、在宅介護での介護者の負担を軽減するためのレスパイトケアにも対応しています。また当院は多くの診療科を標榜しており、内科や外科をはじめ脳神経外科、整形外科、形成外科、小児科、産婦人科、泌尿器科、呼吸器外科、放射線科などは常勤医がおり、いつでも入院可能な体制をとっています。その他の耳鼻咽喉科、皮膚科、てんかん外来については非常勤医による診療を行っています。

貴院の特色についてお聞かせください。

外来受付フロア
外来受付フロア

当院では、年間手術件数が2000件以上あります。さらにNICU(新生児集中治療管理室)を11床設置しています。この地域においても少子高齢化の波が押し寄せ、徐々に出産件数が減っていますが、この地域には周産期医療施設が少なく、地域の要請もあり、静岡県東部地区の小児二次救急を待機病院として月の1/3以上を担っています。また、地域包括ケア病棟を今年の1月に25床で開設し、5月には44床に増床しました。ポストアキュート(急性期経過後に引き続き入院医療を要する状態)およびサブアキュート(在宅や介護施設等において症状の急性増悪した状態)の患者さんや、レスパイトケアの患者さんも対象としているため地域からの要望も多く、80%を超える病床稼働率となっています。

統合画像ビューア「XTREK VIEW」について、感想をお聞かせください。

トモシンセシス対応マンモグラフィ装置
トモシンセシス対応マンモグラフィ装置室

私は専門が外科ですので、乳腺領域、特に乳がんの患者さんや乳房の精密検査の際によく画像ビューアを使用します。当院では断層撮影ができるトモシンセシスの撮影装置を導入しており、トモシンセシス画像はサイズが大きいのですが、画像表示スピードも早く、動作もスムーズです。患者さんへの説明時には画像ビューアでトモシンセシスの撮影画像を見せると、びっくりされる方が多くいます。通常のマンモグラフィの撮影では高濃度乳腺などで不明瞭な部分も、トモシンセシスでは三次元的な高精度の画像で観察できますので、他の医師からの評価もよく、導入してよかったと実感しています。またレポートシステムについてもクリック1つでスムーズに表示されますし、各診療科の医師も便利に使っています。症例検討を外科の医師が毎週行っていますが、ビューア/レポートの端末で画像を見ながら行っており、もう無くてはならないシステムとなっています。

今後の医療においてのIT化についてお聞かせください。

XTREK MAMMOでの画像確認
XTREK MAMMOでの画像確認

現在ではフィルムレス化が進み、どこの病院でも画像システムが導入されています。アナログの写真で診断していた時代と比較すると、もう元に戻れないほど進歩しています。またアナログの写真の場合は、撮影する放射線技師のテクニックが非常に重要でしたが、デジタル化されたことにより、平均的にきれいな画像が撮影できるようになったと思います。診断側としてはビューア上で色々とウィンドウニングの条件を変えて見られることが非常に便利です。紹介患者さんの中には時々フィルムを持参されてくる方もいますが、今となっては懐かしさを感じます。病気が早くわかるために検査をするわけであり、その点ではシステムはますます進歩していくと思います。

最近は紹介患者さんもCDで検査画像を持参されるかと思いますが、いかがですか?

最近はCDで画像を持ち込まれる患者さんがほとんどです。開業医の先生方もほとんどPACSを導入され、CDに保存、患者さんが持参できることが一般的になりつつあります。当院ではフィルムを持参された場合は、一度スキャンをして取り込んで管理していますが、画像精度も落ちますし、検査した元のデータで見れることが一番よいわけです。当院と地域医療連携している診療所の方では、ほとんどがデジタル化されていますので、特に問題もなくスムーズな連携が行えています。

今後の取り組みについてお聞かせください。

病室から望む富士山
病室から望む富士山

法人としては、「健診センターで『保健』を担当し、病気が見つかると病院で『医療』を提供し、介護が必要な場合は訪問看護での『在宅サービス』に加え、地域包括ケア病棟や小規模多機能施設でのケアサービスを通し、地域に貢献する。」ということがあります。つまり、「保健・医療・介護」という長い期間で患者さんを診ることができる組織であり、そのためには各施設の連携がとても重要になってきます。この連携をもっと密にできるように力を入れています。これからは「在宅サービス」を無視した医療というのは難しくなってきており、訪問看護ステーションと病院をいかに連携していけるかが大きな課題です。以前、この地域では急性期の病院がたくさんありましたが、現在は半分以下に減り、今は療養型やリハビリを中心とする病院に変わっていますが、私たちは急性期を残した形で医療経営を行いたいと考えています。というのは、救急当番を埋めることができないくらい病院の数が減ってきている現状があり、地域の医療を守っていくためにも急性期の病院が必要だと考えているからです。
また来年4月には、地域の歯科医師からの要望もあり、口腔外科を開設することが決まっています。がん患者さんが増加し、高齢化が進んでいる現状、口腔ケアが重要になり、一定の需要があると考えています。また静岡県の中部/西部に比べると、東部地域には口腔外科が少ないということがあります。地域の中で生きて行く病院ですから、地域のことを最優先で考えて取り組んでいきたいと考えています。

今後の医療について、院長のご意見をお聞かせください。

今後、IT化がますます進んでいくと思いますが、マイナンバーや個人のすべての健康情報(PHR)をシステムで一元管理し、カードで運用することも現実的になってきています。既に地域医療連携として、各施設で患者さんのデータを共有している自治体や地域もあります。今後どのように進んでいくのか注視する必要がありますが、どこの医療施設にかかっても、カードを出せば検査データを含めた健康情報が共有できる時代になっていくと思います。

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