導入事例:広域紋別病院様


広域紋別病院では2015年(平成27年)4月の新築開院に合わせ、放射線部門システム「ACTRIS ver.2」と統合型PACSソリューション「XTREK」を導入。地域の人々に安心と満足を提供できる病院を目指し、地域住民の健康を支えている。

広域紋別病院について

病院案内表示広域紋別病院全景

広域紋別病院は、1948年(昭和23年)、前身の北海道立紋別病院として開設。その後平成23年に北海道から移管、西紋別地域の5市町村(紋別市、滝上町、興部町、西興部村、雄武町)が共同運営する公立病院として、平成27年4月に開院した。道立病院が長年担ってきた西紋地域で唯一の地域中核病院としての役割である「二次医療および二次救急を恒常的に提供する」という姿勢を保持し、地域医療は地域でしっかり守るという考えの元、地域の人々に安心と満足を提供できる病院を目指している。
病床数は、一般148床、感染症2床の150床。診療科は、消化器内科、循環器内科、外科、整形外科、小児科などに加え、原因がはっきりしない症状を扱う総合診療科を新設、18の診療科を標榜している。

システム導入経緯

検査風景

広域紋別病院では旧病院のPACS更新時期であったこと、また2015年(平成27年)4月の新築開院を踏まえ、まず電子カルテシステムを先行して導入。旧病院ではRISは未導入であり、その重要性から新病院ではMWMのみではなくRISの導入を決定、先行して導入を進め、その後PACSの導入を行った。システム選定については、電子カルテシステムとの親和性が高いジェイマックシステムの放射線部門システム「ACTRIS ver.2」と統合型PACSソリューション「XTREK」を導入し、業務効率の向上を実現。さらに札幌市内の病院との遠隔読影を行うシステムも導入、画像診断のタイムラグを短縮し、診断・治療効率の向上に貢献している。

何度も意見交換を重ね、とても満足のできるシステムができた

畠山巧生 副院長

広域紋別病院 副院長 畠山巧生氏に聞く

広域紋別病院の概要についてお聞かせください。

当院は、北海道立紋別病院が北海道から移管され、西紋別地域の5市町村が共同で運営する公立病院としてにスタートし、2015年(平成27年)に新築移転、開院しました。診療科目は、総合診療科をはじめ、消化器内科、循環器内科、外科、小児科など18の診療科があり、病床数は150床ありますが、スタッフ数を考慮し現在は103床で稼働しています。病院の各種認定についてですが、日本消化器病学会、日本外科学会などの専門医制度関連施設、また災害拠点病院、DMAT指定医療機関などの各種認定を受けています。

病院の特色についてお聞かせください。

北海道からの移管にいたった経緯についてですが、道に頼らず「地域の医療は地域で守る」ということを最大の目的として、自分たちができることを日々考えながら、毎日の診療にあたっています。地域周辺の医療機関が少なく、特に小児科がないということで、当院には3名の小児科医が在籍しております。

診療科の特色についてお聞かせください。

当院では、少ない医師の数でもより効率的な診療を行えるよう、総合診療科を開設しています。風邪やどこか調子が悪いなど、患者さんがまず最初に来院された時は総合診療科で診察を行い、必要であればより専門の診療科に振り分ける役割も担っています。外科においては、新病院となり、機器や設備も整備されましたので、手術にも積極的に取り組んでいます。

CT検査風景

システムの導入経緯や留意した点についてお聞かせください。

旧病院では電子化されておらず、オーダリングシステムも未導入で、すべて紙カルテでの運用でした。移転新築が決まり、まず電子カルテを導入し、業務の効率化をはかることが前提としてありました。PACSおよびRISの導入については、電子カルテとの親和性が高いシステムということを第一の選定条件としました。システム選定会議では5社からデモを受け、選定員が各システムのポイント、見やすさや表示スピード、電子カルテとの親和性などを細かくチェックし、一番評価の高かったジェイマックシステムのシステムを導入することに決まりました。また当院は、北海道の北東部、オホーツク海に面した離れた地域にあります。ジェイマックシステムは北海道が本社ということで保守サービス、特にカスタマイズに関して、いろいろな要望に柔軟に対応してくれるのではないかという思いはありました。

システム導入後の業務変化についてはいかがですか?

XTREK VIEWについてですが、システム起動時の立ち上がりも早く、ユーザーインターフェイスも見やすいと思います。CT値を測ったりといった各計測機能も使いやすく、不満なく使用しています。またカンファレンスについてですが、大画面モニターにビューアを表示し、皆で症例検討をできるようになり、情報共有という面においても非常に効率的になったと思います。当院は非常勤の医師が多く在籍していますが、PACS/ビューアに関しては全く不満を聞いておりませんし、看護師が簡単に操作方法を説明するだけで、問題なく使いこなせています。

患者さんの反応についてはいかがですか?

各診察室にもモニターを設置しており、患者さんからも画像を見ることで分かりやすいと好評ですし、私たち医師にとっても、過去/現在の画像を簡単に表示でき、患者さんへの説明の際もとても便利です。

統合画像ビューア「XTREK VIEW」、レポートシステム「LUCID」の機能や使いやすさについて、お聞かせください。

ビューアについては、時系列に検査が表示されるマトリクス表示が視覚的にも見やすくいいですね。レポートシステムについても、入力するとすぐに電子カルテの方に反映され、画像も連携されます。インフォームド・コンセントにおいても、患者さんのカルテを開くだけで、必要な情報が参照できますのでとても便利です。また、私は消化器内科ですので、内視鏡を行うことが多いのですが、多くの病院では専用の内視鏡ファイリングシステムを導入しているかと思います。当院では予算の都合もあり、PACSのレポートシステム(LUCID)を利用し、カスタマイズした専用の内視鏡用テンプレートを使用しています。カスタマイズについても、こちらの要望をよくきいていただき、何度も意見交換をし、とても満足のいくシステムができたと思います。内視鏡のファイリングシステムは、入力するのに非常に時間がかかり、診療効率が良くないという話もよく聞きますが、入力もスムーズでそのような問題もなく、検査効率も良いと感じています。

地域医療連携やIT化など、今後の取り組みについてお聞かせください。

当院は地域の二次医療機関として周辺の開業医からの紹介で、検査が必要な患者さん、症状の重い患者さんの診療を担っています。特に検査の依頼も多いのですが、迅速に検査を行い結果を返すことがスムーズに行えています。将来的には依頼元の病院へ検査画像とレポートを配信できるよう、検討していきたいと考えています。またシステム導入にあたり大きく改善した点として、遠隔読影が挙げられます。当院には放射線科医が在籍しておりませんので、月一回札幌から来ていただき、読影してほしい症例をまとめてお願いする状況でした。タイミングによっては長い場合、1ヶ月近くも空いてしまうこともありましたので、改善策として、当院と読影医の勤務する病院とを結ぶ遠隔読影システムを導入しました。準備から導入までもスムーズに進み、現在では読影依頼をすると2、3日中には読影結果が出ます。患者さんの治療方針を決める上でもとても重要ですし、助かっています。放射線科医の不足や北海道という土地の広さを考えると、遠隔読影というのは非常に有効なツールだと思いますし、北海道に限らず日本全国で、遠隔読影が必要な場所やシチュエーションがたくさんあるのではないでしょうか。

患者さんも自分の経過が分りやすくなった

柴田稔人 診療部長

広域紋別病院 診療部長 柴田稔人氏に聞く

ご担当されている診療科の概要や特色についてお聞かせください。

私たちは消化器外科および一般外科を専門としています。当院では外科が救急を兼ねていますので、急患の患者さんや救急車で搬送された患者さんの対応も当科で行っています。また夜間が特に多いのですが、市内の急病センターから重症の患者さんが搬送されてくることもよくあります。

システム導入にあたり、留意した点についてお聞かせください。

一般外科の範囲の中での乳腺疾患についても診ていますので、マンモグラフィ画像用に5MPモニタについては詳細なアウトプットができるよう、選定に関わりました。

トモシンセシス対応マンモグラフィ撮影装置

統合画像ビューア「XTREK VIEW」の機能や使いやすさについて、お聞かせください。

XTREK VIEWについてですが、画像の読み込み/表示の動作が軽く、クリック後ストレスなく表示されます。以前勤務していた病院の画像システムと比較すると良い製品だと思います。過去画像との比較表示についても、同期スクロールなどの機能が充実しており、同部位を探すことが容易です。GUIについてですが、各機能のボタンが日本語表示になっており、特に説明書を読まなくても直感的に分かり、操作性が良いですし、よく使用する機能や設定を使う人ごとに登録でき、システム稼働当初から設定していますのでとても使いやすいです。

レポートシステム「LUCID」の機能や使いやすさについて、お聞かせください。

LUCIDについてですが、当院は画像読影に関しては遠隔でお願いしている放射線科医がおり、読影後のレポートを参照し診療にあたっています。レイアウトも見やすく、過去レポートとの比較もタブを1クリックするだけで確認できますので非常に活用しており、診断の助けになっていますね。

カンファレンスやインフォームド・コンセントではいかがでしょうか?

内科との症例検討の際に大きなモニターを使用し、ビューアを表示しています。端末やモニターの場所にかかわらず反応が良く、画像表示のスピードが速いです。今後、若手の医師や地域医療を学びに来る学生が来る予定ですので、カンファレンスで使っていければ有効だと思います。また患者さんのインフォームド・コンセントについてですが、すぐ画像を表示できることが利点の一つです。以前のシステムでは画像を表示するのに時間を要し、患者さんを待たせるブランクがありましたが、新しいシステムではなくなりましたし、その場で計測を行い表示することもできますから、患者さんも自分の経過が分りやすくなったと思います。

院内待合

システム導入前と導入後の変化についてお聞かせください。

新しいPACSに加えRISも導入したということで、ペーパーレス・フィルムレス化が実現し、媒体が全て電子媒体(データ)になりました。今までは私たち自身がフィルムやカルテを取りに行く(媒体の方にアクセスする)という動きだったものが、私たちの方へデータを持ってくるという動きになり、そういった手間が省け、業務効率が大幅に向上したと思います。

運用開始にあたり、サービス員の対応やサポート体制についてはいかがでしょうか?

導入時の対応についても、使い方で分からないところをすぐ教えてもらえる体制でしたので、トラブルもあまりなくシステムを利用できていると思います。導入後についても、個人設定などもすぐに対応してもらえますし、サポート体制は良いと思います。

弊社への要望がありましたらお聞かせください。

ジェイマックの製品は、使い込むほど痒いところに手が届く機能が多々あると感じています。ただ各先生方によっては、なかなかそれらの機能を使いこなせていなかったり、その機能自体を知らなかったりということもあります。そのあたりのサポートを充実させてもらえると助かりますし、業務的にももっと向上するのではと思います。

カスタマイズ性に優れ、業務効率が向上

高橋敏彦 放射線係長

広域紋別病院 医療技術部 放射線係長 高橋敏彦氏に聞く

放射線部門の概要についてお聞かせください。

放射線部門は、診療放射線技師5名、受付事務員が1名です。検査機器は、一般撮影が2台、CT、MRI、血管造影、マンモグラフィ、骨塩定量、透視撮影がそれぞれ1台、ポータブル撮影が2台の構成となっています。一ヶ月の検査数ですが、一般撮影が約800検査、CTが約300検査、MRIが約50検査で、その他マンモグラフィ、透視、血管造影などで約50から70検査位の検査を行っています。

64列CT撮影装置

システム導入の経緯についてお聞かせください。

当院は昨年(2015年)の4月に新築開院しましたが、ちょうどPACS更新の時期も重なっていました。まず電子カルテを稼働、その後PACSを導入するという流れで計画していましたが、今回は旧病院では導入していなかったRISの導入も検討され、MWMだけでは情報修正ができないということもあり、PACS/RISの同時導入ということにいたりました。システム選定については、3社にデモを行ってもらい、それぞれの各機能、使いやすさ、電子カルテとの親和性などを総合的に評価しました。デモの時点においてですが、副院長をはじめ各先生方からも使いやすいと好評価でしたが、最終的には入札でジェイマックシステムに決まりました。

一般撮影装置

放射線部門システム「ACTRIS」について、機能や使いやすさ、
各システムとの連携についてはいかがですか?

個々のカスタマイズができるということが優れていると思います。各モダリティで端末ごとに設定やカスタマイズができ、GUIや情報の表示においてもそれぞれの検査に適した設定ができますので、検査効率がとても良くなったと思います。他社の製品では、検査を実施する際にマウスで画面を切り替え、クリックして業務を進めるような製品もありますが、ACTRISはキーボードのショートカットに機能を設定し、マウス操作をを使うことなく、ボタンひとつで業務を実施することができます。撮影数が多い一般撮影などではとても便利ですし、作業効率もとても上がったと思います。MRIの撮影に関しては、体内金属の警告表示や造影剤の副作用表示、体重による造影剤の量も反映されますし、クレアチニン検査による腎機能の表示についても、電子カルテとの連携により、スムーズに表示されるようカスタマイズを行っています。また他システムとの連携についてですが、当院ではマンモグラフィと透視撮影については、放射線技師がレポートを入力しているのですが、専用のテンプレートを利用して効率よく入力できています。マンモグラフィの精度管理についても、ACTRISの始業点検機能を利用し、ガイドラインに基づいた管理を行えるようになっています。

統合画像ビューア「XTREK VIEW」の機能やユーザビリティについてはいかがですか?

とても使いやすいですね。全断面リンク、過去画像との比較やズームもスムーズです。検索ブラウザについても、マトリクス表示が見やすくていいですね。撮影日付/モダリティごとに並んでおり、一目で分かりやすいですし、マトリクスの表示サイズもマウススクロールで簡単に変えられますので、検査種類が多い患者さんの表示にも便利です。各診療科の先生によって使用しているモニターが横長であったり縦長であったりしますし、各検索機能部分を非表示にしマトリクス表示のみにすることもできたりと、これだけ自由度の高いマトリクスブラウザは、なかなか他メーカーの製品にはないのではないでしょうか?

レポートシステム「LUCID」の機能や使いやすさについて、お聞かせください。

テンプレートを使用して入力できますのでとても効率が良いです。マンモグラフィもカテゴリー判定に沿ったテンプレートでの入力が可能です。細かく石灰化や腫瘍の種類も選択できますし、当院では一次所見の入力を放射線技師が行い、二次/三次のチェックを医師が行っていますので、計3名でのトリプルチェックを行っています。透視検査および超音波検査については、テンプレートを使って放射線技師が一次所見の入力を行い「保留」ステイタスにし、その後診療科の医師が確認/入力/チェック後、「確定」をする運用を行っています。

保守サービスやサポートについてはいかがでしょうか?

稼動時から特に大きな問題や苦情もなく、運用できています。ちょっとしたトラブルについても電話すると迅速にリモートで対応してもらえますし、カスタマイズについても、カスタマーサポートやシステムエンジニアで対応できるものはすぐに対応してもらえますし、ちょっと手を加える開発が必要なものについても、まずは可能かどうかを明確にし、できるだけ対応するという姿勢がありますね。

紋別市内を望む

弊社への要望などがありましたらお聞かせください。

今年の1月から地域での共同施設利用が始まり、依頼があった検査画像を CDに保存し、依頼病院へ渡しています。将来的にはインターネット環境を利用し、効率良くネットワークを利用したシステムでの検査画像提供ができることを考えています。地域の病院や施設も点在しており、遠いところでは50kmほど離れている施設もあります。また冬期間の寒さも厳しい地域ですので、ITを利用した地域医療連携システムはとても有効ですので、ぜひ導入しやすいシステムの開発と提案をお願いします。

広域紋別病院のWebサイト